スリラーハウス<スリラーハウス>私が高校生だった頃、遊園地でアルバイトしていた友達がタダで入れて貰えるからといって連れて行ってくれた。 いろんな乗り物に乗って当時はやりの「スリラーハウス」へ入った。 いわゆる「お化け屋敷」だ。 真っ暗な中を足探り、手探りで進んで行った。 所々薄明かりがさしている。 かと思えば「ヒュ~ドロドロ」という不気味な音がしてくる。 突然井戸の中から気味の悪いお化けが顔を覗かせる。 これくらいの事は覚悟していたので「キャー」という悲鳴と共に顔をそむけて目をつむっていた。 冷たい風がヒュ~ッと吹いてくる。 これも、ドキッとするくらいで我慢ができた。 こわごわソロリソロリと進んだ。 突然足元がグラグラ、グラグラ、と大きく揺らいだ。 私は心臓が飛び出すかと思うほど驚いてその場に座り込んだ。 同時に「ギャ~」と叫んだものだから後にいた人も「ギャ~」と思い切り叫んだ。 さぁ、こうなったら連鎖反応で「スリラーハウス」の中はパニックに! 電気がついて係りの人が出てきた。 普通の服装の人やお化けの恰好をした人、スリラーハウスの舞台裏まで白日の元に・・・ 女の子はみんな泣き叫んでいる! 私も泣いていた。 スタッフの出入り口がみんな開けられて私たちは外に出た。 外に出て最初に叫んだのが私とわかった。 「何かあったの?」とスタッフのお兄さんに優しく聞かれて 「暗闇の中で何か動いたと思ったら足元がグラグラ揺れた」と答えた。 「何か動いた」と言われたのは驚かせる為に黒い布を頭から被って潜んでいた人だった。 その人はお化けの格好のまま「僕の方が怖かったよ」と言った。 「暗闇の中で突然悲鳴がしたかと思ったら誰かが倒れた」とその人は言った。 倒れたのでなくて座り込んだだけだったのだが、暗闇の中では倒れたように見えたのだろう。 スリラーハウスの周辺は身動き出来ないほどの野次馬が集まっていて大パニック状態だった。 大切な物へ BBSへ ホームヘ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|